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写真家 林 祐介
風景ばかりを撮影していたが、純粋に動物は良いと思った。
風景の中では見えて来ない命のやり取りがそこにはある。。
私は知床の山奥でヒグマに出会った。
もちろん撮るために行ったのだから、ある程度の覚悟はできていた。
しかしその想いはいとも簡単に覆される。
15メートル、いや10メートルだろうか、距離は近い。
しかし恐怖は一瞬だけだった。
よく見ると吸い込まれそうな瞳。
それは高度な知能を持つ生物の証だ。
完璧な意思疎通はできないにしても、こちらが敵意が無いと
シグナルを送れば通じると本能的にそう思った。
それを感じ取ってくれたのか、ヒグマはゆっくりと左手に逸れて、
森に消えた。
その痺れるような経験から私は危険でも、この撮影を続けている。
畏怖を決して忘れてはならないが・・
Photographer
Yusuke Hayashi
1988年愛知生まれ
2009年より営業写真館、コマーシャルフォトグラファーとして働き始めると同時に風景など各地を撮影。
現在は熊をメインテーマに撮影中。
知床やカナダ、極北を中心に海外などにもクマを求めて撮影を広げる。
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